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坂井禎介
国立大学法人 奈良女子大学
生活環境学部 住環境学科
専任講師(建築史)
建築の歴史を研究しています。特に人々がどのような美意識をもって建築を作ってきたのかに関心を持っています。また、文化財建造物の保存修復を行ってきたので、保存修復や伝統技術にも精通しています。
文化財建造物の修理の設計監理の実務を10年近く行ってきました。建築の修理現場は、建築の手術のようなものです。建物の構成要素を層ごとに取り外しながら、建物の内部の傷み具合や建物の部材の組み方を観察していく、ダイナミックな経験でした。その経験をした私は、建物の表層をみれば、その内部構造や当時の職人さんが何を考えたのか、建物が「透けて」見えるようになっていました。
建築は当時の美意識や職人技術や社会など様々な影響を受けて成立します。そのような建築の奥にある様々な構造や社会背景が「透けて」見える観察眼が身につけば、古建築を見るのが一層楽しくなります。そのために、奈良という良質な古建築が多数ある立地を生かして、現地の建築調査など様々な実践的教育をともに体感し、建築を様々な視点から観察できる観察眼を学生に養っていただくのが目標です。
研究テーマとしては、二つあります。建築の美意識に興味を持っています。それを主観的でなく、客観的に分析するため、見せかけの部材から読み取ろうとしています。当時の美意識を読み取る試みを続ける中で、建築単体でなく、建築周囲に広がる庭や景観や空地との関係を含めた研究の重要性を意識し、建築史と庭園史の横断的な視点からの研究も行っています。
また、文化財の保存修理の実務を10年行ってきた経験から、文化財建造物の保存修理と活用についても調べています。
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